10万字のGoogleドキュメント日記をNotionデータベースに移行した話

長年、Googleドキュメントに日々の出来事や考えたことを書き殴ってきた。気づけば総文字数は10万字超。過去の日記を振り返ろうにも無限に続くスクロール。ドキュメントの読み込みも重くなり、どう管理したものかと悩むことになった。

別のファイルを作るか?いっそ他の形式に移行するか?

Googleドキュメント以外にも、日記を書く方法はたくさんある。自分はNotionに落ち着いたが、似たようなアプリにObsidianもある。日記専用のアプリやその日の気分をスタンプで残す文章を書かないアプリもある。

どのアプリに移行するにせよ、手作業で日記をコピペするのはまったく度し難い。

この記事では、「日記を書くアプリの比較」「どうしてNotionを選んだのか」という日記データの移行前の話と、どのように10万字の日記を効率的にNotionデータベースへ移行したのかを書いていく。

具体的には、「Markdown」とGoogleのAI開発環境「Antigravity」などのAIエージェントを組み合わせて移行を行ったのだが、「なぜMarkdownを経由するのか」「AIエージェントとは何なのか」といった基礎的なところから、具体的な4つの移行ステップまでを詳しく解説していく。

日記を書くアプリの比較

Googleドキュメントで日記を書いていた理由

Googleドキュメントで日記を書いていけば、そのうち文章が長くなり限界を迎えることは想像がつく。

それでもGoogleドキュメントで書いていた理由の大部分は妥協と惰性によるもの。Microsoft OfficeのWordのように特定の会社の製品に依存した保存形式を避けた結果だ。

2024年7月からGoogleドキュメントがMarkdown(.md)でエクスポートすることが可能となったのも理由の一つ。Markdownなら自分も扱えるし、構造を維持できる。

さらに、MarkdownがAIにとって理解しやすい、とも耳にしたのも関係している。AIの進化で何とかなるかもしれないと、10万字を超えるまで惰性でGoogleドキュメントを使い続けてしまった。

比較:日記専用アプリ

Day OneやApple Journalといった日記専用のアプリがある。日記に特化しているだけあって、手軽に日記を書けるようになっている。

しかし、全体的に他のツールへの乗り換えのハードルが高い傾向にあり、また、どのアプリでも直接AIエージェントと連携することは不可能だ。

  • Day One(王道の日記アプリ)
    • エクスポート形式:JSON、Markdown、プレーンテキスト、PDFなど
    • 無料版では機能の制限あり
  • Apple Journal(iOS標準搭載)
    • エクスポート形式:プレーンテキスト・添付メディアのZIP
    • 完全無料で多機能だがApple製品でしか使えない
  • Rosebud(AI搭載型ジャーナル)
    • エクスポート形式:Markdown
    • さまざまなAI機能が使えるサブスクリプションがある

比較:高機能メモアプリ

日記専用のアプリを使う以外に、NotionやObsidianのような高機能アプリを利用する方法もある。特化型アプリと違い、日記のためのアプリではないので少々ハードルが高いが、高機能なためカスタマイズが可能だ。

NotionもObsidianもAIエージェンとの連携が可能だが、どちらかというとローカルにファイルが保存されるObsidianの方がAIとの相性がいい。また、ObsidianはローカルにMarkdownで保存されるため、他のアプリへの移行も容易だ。

一方でNotionにもスマホ・PC間の同期が課金せずとも可能で、複数人でワークスペースを共有することができるという良さがある。

Notionを選んだ理由

日記専用のアプリについて調べ、導入するか検討したが、結局Notionに移行することにした。Notionを何年も使ってきているので、日記専用のアプリを導入する方が、Notionのデータベースをカスタマイズするよりハードルが高かったからだ。

先に説明したように、Notionと似たアプリにObsidianというものがある。

2つを比較すると、個人利用ではNotionよりもObsidianに軍配が上がる。それでもNotionに日記を移行することにしたのは、スイッチングコストが利便さに現時点で見合わなかった。

NotionからObsidianへ、APIを利用しての移行も検討してはいるのだが、まだ踏ん切りがついていません。

実際にGoogleドキュメントからNotionに移行する

Notionへの移行が一筋縄ではいかない理由

10万字もの日記をGoogleドキュメントからNotionデータベースに移行するのは難しい。

NotionとGoogleアカウントを接続し、「Googleドライブからインポート」からGoogleドキュメントをインポートした場合、Notionの通常のページとしてインポートされる。

Notionでは、データをインポートするとき、データの形式によって通常のページとしてインポートされるか、データベースとしてインポートされるかが変わる。

ExcelやCSV以外では、基本通常のページとしてインポートされる。

GoogleドキュメントをExcelかCSVに変換してNotionにインポートする方法も考えられるが、その方法だと日記本文の扱いが厄介になる。データベースのページとしてではなく、データベースのプロパティ(テキスト)としてインポートすることになってしまうからだ。

一日数百字の日記ならそれでも大丈夫かもしれない。しかし、自分の場合一日1000字以上書くことが多いので、プロパティとしてインポートするとあまりに読みにくい。

読みやすさ確保のため、日記本文はページ内におさめてデータベースへ移行することにした。この作業を人間が手で行うと、確実に気が狂ってしまう。

そこで、MarkdownとAIを使って、移行を完全に任せることにした。

MarkdownとAIエージェント

今回の自動移行を支えているのは「Markdown」と「AIエージェント」だ。最初に、この2つについて簡単にする。

そもそも「Markdown(マークダウン)」とは?

Markdownとは、「文章に簡単な記号をつけるだけで、見出しや箇条書きなどの構造を表現できるメモの書き方」のことだ。保存するときの拡張子は「.md」で、テキストのみのファイルだ。

  • # 2026/08/17 と書けば、一番大きな「見出し1」になる。
  • ## 今日のトピック と書けば、「見出し2」になる。
  • - りんご と書けば、箇条書きのリストになる。

NotionはMarkdown記法と互換性がある。Markdownで表すことができる「見出し」「リスト」「太字」「斜体」などの装飾は、すべてNotionも対応している。

Googleドキュメントで書いた文章をダウンロードする方法はいくつかある。「Microsoft Word(.docx)」「PDFドキュメント(.pdf)」「書式なしテキスト(.txt)」といったMarkdown(.md)より一般的な形式でダウンロードすることもできる。

Markdownで保存したファイルには、普段Googleドキュメントで書いているフォントサイズや文字色などの情報は含まれない。代わりに、「どこが見出しで、どこが本文か」という骨組みだけを抽出したファイルになる。

WordやPDFでダウンロードすると、Googleドキュメントの書式を維持できるが、Notionが対応していない余分な情報も含まれる。また、データが長くなり、構造が分かりにくい分、AIがファイル内容を理解しづらくなってしまう。

テキスト(.txt)でダウンロードすると、余分な情報は一切含まれないが、見出し(#)などの構造を表す記号も一切含まれないため、こちらもAIにとって理解しづらくなってしまう。

紹介した方法でNotionに移行する場合、Googleドキュメント側で各日の日付が「見出し1」や「見出し2」などの見出しスタイルで設定されている必要があります。プレーンテキストで日付を書いているだけだと、Markdown(.md)でダウンロードしても見出し記号(#)がつきません。

「AIエージェント」とは?普通のチャットAIと何が違う?

ChatGPTなどの一般的なチャットAIは、「質問したら画面上でテキストを返してくれる会話相手」だ。

こいつらではNotionへの移行はできない。

10万字のファイルを渡して「これNotionにコピペして」と頼んでも、画面上で励ましてくれるだけ。実際の作業はしてくれない。

一方、AIエージェント(Antigravityなど)はできる。目的を伝えると、パソコン上で自律的にファイルを読み込み、プログラム(スクリプト)を書き、ツールやAPIを操作して作業を完了させてくれる。

AIエージェントと普通のチャットAIとの違いは、別の記事で詳細を書いている。

今回の移行において、AIエージェントには以下の作業を代わりにやってもらった。

  1. 10万字のMarkdownファイルを読み込む。
  2. # YYYY/MM/DD という日付見出しを探し、日付ごとに本文をバラバラに切り分ける。
  3. 切り分けた日付と本文を、NotionのデータベースへAPI経由で1ページずつ自動投稿していく。

自分たちはプログラムを1行も書く必要がなく、AIエージェントに「これやっておいて」と指示を出すだけで終わった。

10万字日記をNotionデータベースに移行する4ステップ

ここからは、実際に行った移行作業の手順を具体的に紹介する。

GoogleドキュメントをMarkdown(.md)でダウンロード

Googleドキュメントを開き、「ファイル」>「ダウンロード」>「Markdown(.md)」を選択する。

Notion側に「受け皿」となるデータベースを作成

日記のデータの移行先であるNotionデータベースを新規作成する。この時点でいくつかプロパティを設定しておき、AIエージェントに移行と同時にそのプロパティを埋めてもらうことも可能。特に「日付(Date)」プロパティは必ず設定しておきたい。

自分の場合、設定しているプロパティは4つ。増やしすぎると運用が面倒になるので、最小限の構成で作成している。

  • 名前(Title): 「YYYY-MM-DD形式の日付+その日の一言(例: 2026-08-18 会計士試験の勉強)」
  • 日付(Dateプロパティ): カレンダー表示用の日付
  • トピック(Multi-selectプロパティ): 「日常」「大学」「旅行」「買い物」などのタグ
  • 要約(Textプロパティ): AI用の要約欄(後から自動生成させる用)
AIエージェントに移行スクリプトを実行してもらう

NotionとAIエージェントを連携させ、移行作業を指示する。移行作業に必要な情報もこの時に渡しておく。

  • 移行先のNotionデータベースID(「設定」>「データソースを管理する」>「データソースIDをコピー」からコピー可能)
  • 日記ファイル「diary.md」の構成(# YYYY/MM/DD のあとに本文が続く、など)
  • データベースのページとプロパティの扱い(本文はページに省略せずインポート、「名前」「日付」「トピック」「要約」の運用方法の説明など)

足りない情報があれば、AI自身に質問してもらうことで、勝手に推測して処理を進めるのを防ぐことができる。

Notion上で移行データを確認する

指示を出した後は、AIエージェントがスクリプトを生成し、Notionへ日記を移行する処理をやってくれる。自分の場合、10万字を超えるデータを移行したが、十数分程度で処理が完了した。

Notionのデータベースを確認し、ページ内の本文や日付やトピック、要約のプロパティが問題なく反映されてれば無事に移行完了だ。

移行時の注意点と移行のメリット

実際に移行作業を行って感じた、注意すべきポイントと移行のメリットを共有しておきたい。

AIエージェントの利用枠が削られる

これはやる前から覚悟していたことだが、移行作業でAIエージェントの利用枠ががっつり削られた。

MCP連携&大量テキスト処理という、トークン消費につながることをしているので当然の結果ではあるが、Antigravity(Gemini Proプラン)の一週間の利用枠を3割ほどもっていかれた。

日付見出しの「表記揺れ」に注意

今回の移行では、見出し(#)に設定した日付を日記の区切りとして使用した。

長期間日記を書いていると、時期によって「YYYY-MM-DD」「YYYY/MM/DD」という地味な表記ゆれや、「今日のひとこと(YYYY-MM-DD)」という見出しの書き方の揺れが存在していた。

表記がぶれていても、同じ見出し(#)の設定だったため、AIが日付の区切りを見落とすことはなかったが、表記ゆれには注意する必要がある。

移行前にAIエージェントに日記データを確認してもらい、データの構造や表記で疑問があれば質問してもらう、といった形で処理を進めたほうが安全だと思う。

移行して感じたメリット

GoogleドキュメントからNotionデータベースに日記を移行して感じたメリットはいくつもあるが、一番はカレンダービューを使えるようになったことだ。

「トピック」のプロパティも一緒に表示することで、一目で過去一か月間にどのような出来事があったのかが分かるようになった。

Googleドキュメントで日記を書いていた時は、先月の出来事を知るために、本文を直接読まなければならなかったし、無限にスクロールしなければ本文も読めなかった。

まとめ:AIで過去のログを救出する

記録やメモが大好きな人間にとって、データの移行は頭を悩ませる問題だ。データを捨てるのはもったいないが、かといって手作業で移行するのは面倒だ。

そこで、MarkdownとAIエージェントの力を借りて、移行は任せることにした。

「昔から書き溜めてきたメモや日記があるけれど、量が多すぎて持て余している」

「いつか整理しようと思いつつ、ずっと放置してしまっている」

もしそんなデータが手元にあるなら、決して諦めて捨ててしまう必要はない。面倒な仕分けや移行作業はすべてAIに丸投げすることができる。

Googleドキュメントに眠っていた10万字の日記がNotionのデータベースに収まった瞬間は、控えめに言っても感動ものだった。

AIがいなければ諦めることになった過去の日記が、驚くほどあっさりデータベース化でき、無限スクロールから解放され、カレンダービューで「過去の今日、自分は何をしていたか」が一瞬で分かるようになった。

同じようにデータの管理に悩んでいる人にとって、試してみる価値があると思う。

Notionのデータベースに移行したおかげで、日記とAIを連携もスムーズになったので、移行後にどのように使っているのかについては、次の記事で説明していこうと思います。

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