文体統計|文章からAIらしさを消し去るには?

AIに文章を書かせると、どうしても独特の違和感が残る。

文法は完璧。論理も整っている。

なのに、どこか教科書的でよそよそしく、読んだ瞬間に「あ、これAIが書いたな」と直感が働く。

「もっと自然な日本語で書いて」「親しみやすい口調で」とプロンプトで指示を重ねたところで違和感は残る。

自分にとっての「自然」をそのまま理解してくれるほど、AIはまだ賢くないからだ。

この記事では、自分にとっての自然な文章をどうやってAIに書かせるのかについて、文章解析の経験から紹介したい。

以前の指示より格段に自分らしい文章が書けるようになったので(それでも100%自分とは言えるわけでありませんが)、その具体的な方法を共有します。

文章には書き手の個性が出る

文章には書き手の個性が出る。

太宰治が普通に書いた文章と、夏目漱石が普通に書いた文章では、文体もリズムもまるで違う。

この文章の指紋とも言える無意識の癖から、匿名の書き手を特定した有名な事例が存在する。

2013年、ロバート・ガルブレイスという無名の新人作家が書いたミステリー小説『カッコウの呼び声』が発表された。

新人にしてはあまりにも完成度が高いことを不審に思った英サンデー・タイムズ紙の記者が、専門家に文章解析を依頼した。

テキストマイニング用のソフトウェアを使い、頻出する語彙や文字の出現パターンなどを統計的に詳細に調べた。

その結果、『ハリー・ポッター』シリーズの著者であるJ.K.ローリングの執筆癖と完璧に一致したのだ。

こうして、彼女が覆面作家として執筆していた事実が世界中に暴かれることになった。

文章解析で分かる書き手の癖

自分自身、高校生の時に「KHCoder」というソフトを使って文章を解析したことがある。

文章を読み込ませ、一文の長さや文字種の割合、共起表現の分布について統計的に調べまくった。

具体的な数値データ自体はもう忘れてしまったのだが、解析を通して見えてきた傾向は非常に興味深かった。

たとえば、太宰治の『走れメロス』を解析すると、一文の長さが他の太宰作品よりも明らかに短いことがわかる。

この一文の短さがあるからこそ、あの独特なスピード感と緊張感が生まれているのだ。

また、新聞記事、LINEのチャット、ネット掲示板の書き込みなども比較してみると面白い。

いずれも略語が多いという共通点はあるが、よく使われる略語の種類が全く異なる。新聞記事では漢字の略語、LINEでは挨拶の簡略化、ネット掲示板では独特のスラングが中心になる。

おそらくこれらは私たちの直感に沿ったものであり、文の「印象」という曖昧なものは、すべて具体的な数字で指定することができるのだ。

AIに意図した文章を書かせる

まずは目標とする文章を用意する

自分の文章をAIに再現させるなら、まずは自分自身が書いたお手本の文章を用意する必要がある。

この時、ブログ記事に使いたいなら、必ずブログ用に書いた文章を用意しなければならない。

同じ書き手の文章であっても、LINEの会話やレポートなど、場面によって文章の特徴がまるで変わってくるからだ。

お手本の文章を用意したら、次に文章解析を行う。

手っ取り早いのは、AI自身にお手本を読み込ませて特徴を解析させる方法だ(自分としても一番おすすめである)。

本格的にこだわりたい場合は、KHCoderなどのテキストマイニング用ソフトをパソコンにインストールするところから始めるのも手だ。

具体的な指示の出し方

数字で指定すること vs 言葉で指定すること

プロンプトで指示を出す際は、数字で指定するものと言葉で指定するものを明確に分ける。

ただし、中には現在のAIでは指定できないものもあることを理解しておく必要がある。

まず、数字で指定するものとしては以下の通りだ。

  • 一文当たりの平均文字数(例:48字)
  • 一段落当たりの平均文章数(例:1.5文)
  • 一文の文字数の範囲(10字〜60字)
  • 体言止めの割合(例:10%)

次に、言葉で指定するものとしては、常体(だ・である調)の使用、同じ文末表現の連続禁止、その他マークダウンのフォーマットルールなどが挙げられる。

一方で、指定できないものとして単語同士の結びつきである「共起表現の特徴」がある。

共起表現の特徴を文章解析をもとに指定しようとすると、大量の分析用テキストが必要になり、AIに渡すルールが非常に複雑化してしまうため現時点では難しい。

指示の守らせ方

どれだけプロンプトで厳密に指定しても、AIというものは平気でルールを破ってくる。

だからこそ、一回でAIに完璧な文章を出力させるのを諦めることが先決だ。

一発勝負を諦め、AI自身に出力した文章のセルフチェックを行わせるようにする。

指定した数値におさまっているか、同じ文末表現が連続していないかをAIに検証させるのだ。

修正させても一気に思った通りの文章にはならないかもしれないが、それなりに目指したクオリティに近づいていく。

最初からセルフ修正のループを組む前提で考えたほうが、気持ち的にもずっと楽になる。

まとめ

文体には、自然と書き手の無意識の癖が出る。

その無意識の癖は、文章解析を行うことで具体的な数値として浮かび上がってくる。

この数字を使って指定を与えることで、ある程度目指した通りの文章を出力させることができるのだ。

とは言え、一回の出力で完璧な結果を期待することはできないので、そういうものと割り切るしかない。それほど文章の個性というものは、AIには出しづらいものなのだ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です