
この記事では、難関資格として知られる公認会計士試験の勉強に「Gemini Notebook」を取り入れ、オンライン講座の不満を解消しながら学習を効率化する新しい勉強法を紹介します。
大学生の夏休み、周りがサマーインターンや就活の早期選考に励むなか、自分は公認会計士試験の勉強に打ち込んでいる。
しかし、実際に勉強を始めてみて痛感したことがある。
「公認会計士の試験、いくらなんでも難しすぎないか……?」
一般的に合格までに必要な勉強時間は3,000〜4,000時間以上とも言われ、膨大な暗記量と複雑な計算力が求められる超難関試験だ。普通に真正面からテキストをめくっているだけでは、途中で息切れするか、大学生活が完全に勉強だけで溶けてしまう。
自分は決してマメな人間ではない。だからこそ、「いかに要領よくサボりつつ、学習効率を極限まで引き上げる仕組みを作れるか」に本気で頭を使うことにした。
今回は、現在使っているオンライン講座「STUDYing」の不満点を洗い出し、それをGemini Notebookでどう解決・補完しているのか、その実践と現時点での限界について書いていく。
公認会計士試験の勉強と言えば、大手予備校に通学するか、十数万〜数十万円の通信講座を受講するのが王道とされている。
そんな中、自分は「STUDYing(スタディング)」というオンライン特化の講座を利用して勉強を進めている。
STUDYingの最大の強みは、なんと言ってもその圧倒的なコストパフォーマンスにある。大手予備校と比べると費用を大幅に抑えられ、PCやスマホがあればどこでも勉強ができる。
- 圧倒的なコスパ: 大手予備校の数分の一の価格で受講できる
- スキマ時間の活用: スマホ1台で講義視聴から問題演習まで完結する
- まとまった時間が不要: 通学電車の中や講義の合間など、細切れの時間で進められる
机に向かって何時間も分厚いテキストと格闘するのが苦手な自分にとって、スマホで手軽に勉強できる環境は非常に魅力的だった。
しかし、実際に毎日使い込んでいくうちに、無視できない不満やストレスがいくつか溜まってきた。
- 講義動画が単調で飽きる
- スライドやテキストの文字を講師がそのまま読み上げているだけで単調
- 学習フローが画一的
- 用意されている学習フローが1パターンしかない
- 「ここは分かっているから飛ばして演習だけやりたい」「苦手な論点だけを重点的に深掘りしたい」といった柔軟な進め方がしづらい
- Webテキストの使い勝手が微妙
- ブラウザ上のテキストが読みづらく、手元に保存する形式がPDFのみ
- Notionなどにテキストを移植して整理したい自分としては、構造化しにくく地味に扱いづらい
- 用意されている問題数が意外と少ない
- アウトプット用の問題演習のバリエーションが少ない
- 同じ問題を何度も解くうちに答えの位置を覚えてしまう
- AI質問機能の仕様が使いづらい
- 質問を入力しなくても会話履歴として残ってしまい、過去ログの検索性が落ちる
- 1回の入力が最大200文字までに制限されているため、複雑な会計処理の前提を書ききれない
- 月200回までの利用制限がある
- 音声入力に非対応
「スマホで手軽にスキマ時間で学べる」というメリットは捨てがたいが、この不満を抱えたまま何千時間も勉強を続けるのは精神衛生上よろしくない。
そこで目をつけたのが、Googleの「Gemini Notebook」だ。
STUDYingの「スマホ・PCでいつでもどこでも学べる」という強みを活かしたまま、教材の解説・理解度に応じた問題演習・疑問点の壁打ちをすべてGemini Notebookに代行してもらう仕組みを構築した。
注意:著作権と非公開設定について
ここで一つ重要な注意点がある。
Gemini NotebookにアップロードしたPDFやテキストデータは、無料版・有料版を問わずAIの学習データには使用されない仕様となっている。そのため、購入した教材を個人利用の範囲でアップロードすること自体はSTUDYingの利用規約に抵触しない。
ただし、作成したNotebookを他人に共有(リンク共有や公開)してしまうと、講義資料の再配布となり完全に規約違反・著作権侵害になる。
Notebookを作成・利用する際は、必ず「完全非公開(自分のみアクセス可能)」の設定になっていることを確認した上で運用する必要がある。
Gemini Notebookでは、科目ごとにノートブックを分けるのがおすすめだ。自分は以下のように科目ごとにノートブックを作成し、PDF化したテキスト資料を放り込んでいる。
- 【会計士】財務会計論
- 【会計士】管理会計論
- 【会計士】監査論
- 【会計士】企業法
資料を読み込ませた後、主に以下の機能を使って勉強を進めている。
- チャット解説(おすすめ度:★★★)
- テキストベースでの解説
- 勉強開始時に「第○章の全体像と重要ポイントを3行で要約して」と頼んで概要を掴んだり、テキストを読んでいて分からない用語をピンポイントで噛み砕いて説明してもらうのに最適。
- レスポンスが早く、一番実用的。
- 音声解説(おすすめ度:★★☆)
- 2人のホストが会話形式で資料の内容を議論・解説してくれる機能。
- 移動中や作業をしながらラジオ感覚でインプットするのに重宝する。
- 生成に数分かかるのが難点。
- 動画解説(おすすめ度:★☆☆)
- 音声とスライド形式のビジュアルを組み合わせた解説動画を自動生成してくれる。
- STUDYingのような単調な読み上げではなく、要点が強調されたメリハリのある動画ができる。
- 生成にかなり時間がかかるため、現状は「どうしても文字だけだとイメージが湧かない論点」に絞って使っている。
講義内の重要用語や定義、論点をフラッシュカード(単語帳形式)として自動抽出してくれる。
スマホやタブレットの画面をタップするだけでテンポよくめくっていけるので、復習がかなり楽になる。
間違えたカードや理解が怪しい用語は、「説明」のボタンからそのままチャットで解説してもらえるのが便利。
アップロードしたテキストをもとに、AIがオリジナルの4択問題を自動生成してくれる。
問題数や難易度(簡単・標準・難しい)を自分で指定できるため、STUDYingの問題数が少ないという不満を一気に解消できた。
こちらも間違えた問題の解説をチャットですぐに確認できる。
現在、自分はPCとスマホの両方にGemini Notebookを入れて学習を進めている。
特に効果を実感しているのが、「監査論」や「企業法」といった理論・暗記系の科目だ。これらの科目は動画の単調さに耐えるよりも、AI相手に対話しながら能動的にインプット・アウトプットを回す方が圧倒的に頭に入る。
※なお、「財務会計論」や「管理会計論」の計算分野に関しては、現状STUDYingの講義・演習をそのまま回す方がやりやすいため、科目の性質に応じて使い分けている。
基本は1講義(または1テーマ)ごとに、以下のサイクルで進めている。
講義のPDFを指定し、「この講義で一番伝えたい論点と、押さえるべき重要用語を教えて」と投げて全体像を掴む。
生成されたカードを一通りめくる。この段階では正解率は気にせず、用語の雰囲気に慣れることを優先する。3回程度周回する。
「簡単」→「標準」→「難しい」の順でクイズを生成し、全問正解できるまで周回する。
クイズで間違えた選択肢や、解説を読んでも腑に落ちない部分をチャットで質問し、疑問をゼロにしてから次の講義へ進む。
また、スキマ時間の補助として、通学中には次回学習する予定の2〜3講義分の「音声解説」をイヤホンで聞き流し、予習代わりに活用している。
かなり快適になったとはいえ、完璧というわけではない。実際に使い込んでみて感じた限界や注意点もいくつかある。
- 音声解説の読み間違いが地味に多い
- 専門用語のアクセントが不自然・誤読がある
- 「情報の海」を「じょうほうの“かい”」と読むような、初歩的な漢字の読み間違いが散見される
- 聞き流し用と割り切る必要がある
- 出題形式が4択クイズに固定されている
- 現状のクイズ生成は4択問題がメイン
- 記述式問題や電卓を叩くような複雑な計算問題の演習には向いていない
- 学習フローを自分で管理する必要がある
- STUDYingのように「次はこの講義に進めばOK」というレールがない
- 「今自分は何が理解できていて、次に何をすべきか」を自律的に考える必要がある
- 無料版の利用制限
- 無料プランのままだと、資料のアップロード数や1日の生成回数に制限がある
- 1日中がっつり勉強しようとすると途中で制限に引っかかる可能性がある

本気でメインツールとして組み込むなら、有料版の利用を検討するか、回数制限を考慮しながら日々のタスクを割り振るのが現実的だ。
今回は、STUDYingの不満点を解消するために導入した「Gemini Notebook」による公認会計士試験の勉強法を紹介した。
- チャットによるピンポイント解説で、単調な講義動画から解放される
- フラッシュカードと自動クイズ生成で、スマホ1台で無限にアウトプット演習ができる
- 完全非公開設定を守ることで、規約に配慮しながら安全に教材を活用できる
読み間違いや出題形式の制限など、まだ発展途上な部分はあるものの、既存の通信講座にAIを組み合わせることで、勉強の効率は間違いなく一段階上がったと感じている。
今後もこの勉強法を継続し、学習が進んだ段階での使用感や、実際の試験・模試の成績にどう結びついたのかについても、また後日報告したいと思う。
もし同じように資格試験の勉強法で悩んでいる人や、通信講座の使い心地にしっくりきていない人がいたら、ぜひ一度試してみてほしい。

